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相続税財産の評価

相続税は、遺族に残した遺産に対して実際に財産を相続した人が納付する税金ですが、遺産は当然、現金や預金だけではないことの方が多いでしょう。

遺産には不動産や有価証券、美術品、貸付金など相続するすべての財産を含みますし、家族名義の財産であっても遺産とされることもあります。

これらの財産は、相続が発生したときの時価で計算して、相続税を計算します。この時価を算出することを「財産の評価」といいます。

① 財産の評価とは

財産を評価するときの時価とは、その財産を売却すればおいくらの値段になるのか。またはいくらの価値があるのか。ということになりますが、計算する場合、様々な事情を考慮する必要があります。

たとえば、同じ100坪の土地でも、一方は車が入りにくい場所にあり不便かもしれない。一方は便利な場所であって整形されている。でも、地上には電線がかかっていて線路沿いにある場合には、それぞれの土地の時価は変わります。

なるべく不公平がないように、財産の評価の計算方法については国がある程度細かく決めていますが、1つずつルールを定めておくということは困難です。

この場合、その時価を計算するためには、相続税の知識だけでは困難な場合があります。

車がとても入れない土地の場合、もし売却して新たに建物を建てるとなれば、消防車が入ってこられるように道路として土地を提供しないといけないかもしれません。地上に電線が架かっていたら、高い建物は当然建てられませんから、同じ場所、面積の土地でも安くしか売却できないでしょうし、そもそも建物を建ててはいけない土地かもしれません。線路沿いにあり、騒音が酷ければ同じ値段でその土地を買おうとは思わないでしょう。

このように、相続税の法律だけではなく、この例だけでも、道路法や都市計画法等さまざまな知識や現地の調査が必要となります。財産の評価は前例で全く同じものがあるとは限らず、騒音がある場合や、たとえば美術品のように時価そのものについては、解釈の仕方によって時価も変わる場合も多いですし、家族名義の財産であっても遺産とされる場合は、認定方法については実態でしか判断できませんから、うまく説明することができず、後から追徴で税金を支払わなければならないこともよく発生しています。

「計算する人によって、相続税に違いが出てきてしまう。」といわれているのはそのためです。

財産を評価するにあたっては、調査に相応の時間が必要なこともありますし、実務の経験がある場合とない場合では、その差が大きくなる可能性もあります。また、財産の評価についても、さまざまな専門家の力を借りる必要があるかもしれません。なるべくお早めにご相談されることをお勧めしております。

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