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相続トラブル
相続のトラブル事例は数多くあります。ただ、相続が発生したあと、もしくは発生する前に、法律の専門家に相談をしてアドバイスをうけていればトラブルになることはなかったものが数多くあると思います。
いくつかの事例をご紹介しておきます。
不動産を所有している人がお亡くなりになり遺産分割協議をして相続登記をすべきところを放置してトラブルになった事例
相続人が4人の兄弟姉妹。皆さんとても関係も良好で、亡くなった親が所有していた不動産は長男が跡継ぎとして住んでいるので当然、長男が相続するべきとして話し合いがなされていました。もめることもないだろうし、費用もかかるし、手間がかかるし、相続登記は放置されました。
その数十年後にその不動産を長男が売却をしないといけなくなりました。当然、相続登記をしなければ売却することが出来ないので手続きを進めることに。その時に一人の妹が他界していました。その場合、妹の夫、妹の子供達が妹の相続権を引き継いでいるので印鑑証明、実印を押してもらわないと話が前に進みません。数十年前妹は長男が相続することに全く異論はなかったのですが、妹の夫と子供となると話は別。夫が認知症になっていたり、子供達が経済的に困窮していたり、行方不明で連絡がとれなかったり。
結局、実印がもらえなかったり、納得ができないようなお金を支払うことになったり。
亡くなって相続人の意見がまとまっているときにめんどうくさがらず相続登記手続きをしていればなんの問題もなくトラブルになっていない事例です。
遺言書を作成してればトラブルになっていなかった事例
1.子供のない夫婦の一方が亡くなって、その被相続人の両親も亡くなっているケース
この場合は、その被相続人の配偶者と兄弟姉妹に相続されます。兄弟姉妹とつきあいがない場合、今後の配偶者の生活を考えてすべて配偶者に遺したいと思っている方は多いと思います。しかし、遺言書を作成していなければすべて配偶者に相続させようと思えば被相続人の兄弟姉妹に実印・印鑑証明の協力をえなければなりません。よくあるトラブルです。
2.再婚した男性が、前妻の間に子供がいてその子供は前妻に引き取られその子供が2歳くらいからあっていないようなケース
再婚後に子供が2人できて成人しているような場合、自分が亡くなったときの相続財産は出来るだけ再婚後の子供達に遺してあげたいと思う人が多いと思います。遺留分というものがあるので前妻の子供に全く渡さないということはできないのですが遺言を作成していればスムーズにより条件がいい形で子供達に相続させることが出来ます。
日本人は遺言書を作成しない方が、実は多いのですが、遺言書を作ることで相続トラブルを未然に防げるケースが多いということはわかって欲しいところです。